最終更新日 2024年10月28日 by newsring
東京の港区に所在がある日本ユニセフ協会は、2011年に設立された公益財団法人で、別名ユニセフ日本委員会とも呼ばれています。
国連の補助機関で子どもの支援を行っている、国際連合児童基金の地域組織の位置づけで、世界の34の国と地域にあるユニセフ国内委員会の1つです。
日本においては、民間向けに国際連合児童基金を代表する唯一の組織となっています。
国内にはもう1つユニセフ東京事務所が存在しますが、こちらは政府と直接交渉を行う出先機関で、民間からの直接的な寄付は受け付けていないのが特徴です。
日本ユニセフ協会とユニセフ東京事務所
ユニセフ本部の組織で職員は国際公務員ですから、民間向けに活動する日本ユニセフ協会とは位置づけも活動も異なります。
国内にユニセフと名がつく組織が2つあるので、混乱を招いているのは確かですが、役割を知ることで違いも見えてきます。
ユニセフ東京事務所は東京の渋谷に所在があり、日本と韓国の執務室が置かれています。
また日本政府や韓国政府と掛け合い、資金調達をすることが主な業務となります。
一方、日本ユニセフ協会は街頭に立ってキャンペーンを行ったり、募金箱の設置や募金の呼び掛けなど民間の領域で地道な活動をしている点に違いがあります。
他にも、グリーティングカードを始めとした販売事業や飢餓に苦しむ子どもの人権擁護、開発途上国の子どもの人権状況や国際協力の啓発も活動の一環です。
子どもの権利条約締結と児童買春禁止の支援活動も仕事ですから、活動内容は幅広く多岐にわたります。
所在地のあるビルにはユニセフハウスが入居しており、広報活動を行う場として活用されています。
寄付したお金は税制上の優遇措置の対象となる
具体的にはホールや展示スペース、ミニシアターを使った活動状況の報告や、子どもが置かれている現状の情報発信などが挙げられます。
それからショップも設置されていて、代金の一部が国際連合児童基金への寄付金になる商品販売を行っています。
ちなみに活動に賛同して寄付をすると、税制上の優遇措置の対象となりますから、寄付金控除で所得控除か税額控除を選んで恩恵が受けられます。
近年は寄付金を活用する相続税対策を打ち出しており、ユニセフ相続セミナーなどの形で遺贈プログラムを展開中です。
このように、活動内容や現状を伝えて募金を呼び掛けるのが主な活動内容ですから、役割が明確でどういう組織か理解が深まります。
集められた寄付金はユニセフ本部に送金され、世界155の国と地域にあるユニセフ現地事務所に送られます。
ユニセフ現地事務所は現地状況の調査と国や地域別の援助計画、予算の立案に計画の実施とモニタリング、そして評価を担当しています。
つまりユニセフと一口にいっても組織が大きいので、ニューヨークにある本部の他にも、各国の各地域にそれぞれ役割を持った事務所が存在しているわけです。
ユニセフ本部に送金される寄付金についての誤解
日本ユニセフ協会の役割は寄付金を集めることですから、民間に向けて子どもの援助に繋がる資金の募金しています。
ただユニセフ本部とは別組織で活動内容は委ねられていますし、独自の運営で活動していますから、同じユニセフでも足並みが揃っていないように見えることがあります。
ユニセフ本部に送金される寄付金は、地域で活動する組織の経費が引かれた残りなので、寄付をしたお金の100%が子どもに役立てられるわけではないです。
そこに誤解が生じることもありますが、経費の留保はユニセフ本部が認めているものですから、間違いでもなければ不正でもないので問題なしです。
日本ユニセフ協会は収支報告の公開をしており、寄付金がどのように使われているか可視化されています。
役員は名前が公表されていますし、経費削減の取り組みも行っていますから、オープンな姿勢でなおかつ寄付金を有効活用する努力をしていることが分かります。
日本ユニセフ協会の歴史
活動のルーツは戦後ユニセフ本部により行われてきた子どもの支援で、支援物資の提供元にお礼状を書く作業が始まりとされています。
当時日本で活動していたのは日本国際連合協会で、1950年に日本国際連合協会から独立したのが任意団体日本ユニセフ協会です。
1955年に任意団体から財団法人へと変わり、1977年にユニセフ本部の承認を受けて正式にユニセフ日本委員会となりました。
現在のユニセフハウスが建設されたのは2001年のことで、活動拠点が現在の場所に移されています。
2003年には、ユニセフ本部への拠出額が各国の国内委員会の中で1位を記録していますから、地道な募金活動や経費削減の効果が窺えます。
残念ながら2007年にドイツの国内委員会に抜かれてしまいましたが、それでも大きな記録を達成したのは間違いないです。
2011年に内閣の認定を受けて、現在の公益財団法人に移行しています。
2015年には創立60周年を迎え、翌2016年にユニセフ創設70周年を迎えました。
まとめ
活動内容を伝えて広く知ってもらったり、寄付を募り支援を呼び掛ける募金は、創立から現在に至るまで一貫して変わらない活動です。
寄付額は自由ですし、数百円でも支援物資の選択肢は増えますから、子どもの力になりたくなったら無理のない金額の範囲で役立つ支援を検討できます。